「漫画みたいな魅力的なキャラクターを描いてみたい!」
そう思ってペンを握ったものの、何から描き始めればいいのか分からず、真っ白な紙を前にフリーズしてしまった経験はありませんか?
あるいは、一生懸命描いてみたけれど「なんだかバランスがおかしい……」とガッカリして、途中で投げ出してしまったこともあるかもしれません。
安心してください。漫画イラストを描くのには、運動や料理と同じように「正しい手順」と「コツ」があります。センスや才能の問題にするのは、基本のプロセスを知ってからでも遅くありません。
今回は、全くの未経験からでも挑戦できる「漫画イラストの描き方」を、基本のプロセスに沿って徹底的に解説します。この記事を読み終わる頃には、あなたも自分だけのキャラクターを完成させる一歩を踏み出せているはずです。
漫画イラストを描き始める前に揃えたい道具
「よし、描こう!」と思っても、道具選びで迷ってしまうのが最初のハードルですよね。現代では、大きく分けて「アナログ」と「デジタル」の2つの選択肢があります。
アナログ派なら、まずは家にあるもので十分です。
- 鉛筆(HB〜2Bくらいが描きやすいです)
- 消しゴム
- コピー用紙やスケッチブック
もし、本格的に線を清書したいなら、サクラクレパス ピグマのようなミリペンを用意すると、漫画らしいパキッとした線が引けます。
一方、今の主流であり、初心者こそおすすめなのがデジタルです。
「デジタルは難しそう」と感じるかもしれませんが、実は「何度でもやり直しができる」「左右反転してバランスを確認できる」「色が塗りやすい」といった、初心者にとって心強いメリットがたくさんあります。
デジタルで始めるなら、やはりiPadとApple Pencilの組み合わせが最強です。直感的に画面に直接描けるので、紙に描く感覚に一番近いです。
パソコンで描く場合は、ワコム ペンタブレットなどの専用デバイスが必要になります。
ソフトやアプリに関しては、無料なら「アイビスペイント」、本格的に漫画を目指すなら業界シェアNo.1のCLIP STUDIO PAINTを選んでおけば間違いありません。
ステップ1:アイデアを形にする「ラフ」の工程
道具が揃ったら、いよいよ描き始めます。でも、いきなり細かく描き込むのはNGです。まずは「ラフ(下書きの前段階)」からスタートしましょう。
初心者が陥りがちなのが、「最初から完璧な一本線を引こうとすること」です。ラフの段階では、線が何本重なっても構いません。
- 何を描くか決める: 最初は「好きなキャラクターの顔」や「胸から上のバストアップ」がおすすめです。全身を描こうとするとハードルが上がりすぎて挫折しやすいため、まずは顔を可愛く(カッコよく)描くことに集中しましょう。
- ざっくりした形を取る: 丸や三角、四角といった単純な図形を組み合わせて、「だいたいこの辺に頭があって、肩はこのくらい」という目安をつけます。
この段階では、まだ「上手さ」は気にしなくて大丈夫です。自分のイメージを紙の上に「置いてみる」感覚で進めていきましょう。
ステップ2:バランスの要!「アタリ」をマスターしよう
ラフを描くとき、あるいはラフの次に必ずやってほしいのが「アタリ」を取る作業です。これが、漫画イラストの描き方において最も重要なプロセスと言っても過言ではありません。
アタリとは、キャラクターの骨組みやパーツの配置を決める「設計図」のことです。
- 顔のアタリ: まず丸を描き、その中に十字線を引きます。横線は目の位置、縦線は顔の中心(鼻のライン)です。
- 目の位置のルール: 初心者は目を顔の上の方に描きがちですが、実は「目の位置は頭全体の真ん中」に配置すると、大人っぽくバランスの良い顔になります。
- 十字線の魔法: 顔が少し横を向いているなら、十字線をカーブさせて描きましょう。これだけで立体感のある顔が描けるようになります。
「アタリを描くのが面倒」と感じるかもしれませんが、急がば回れです。この設計図があるだけで、後から「目がズレている!」と気づいて全消しする悲劇を防げます。
ステップ3:キャラクターに命を吹き込む「下描き」
アタリができたら、その上に具体的なパーツを描き込んでいく「下描き」に入ります。
- 目・鼻・口を描く: アタリの十字線を目安に、目を描き入れます。左右の目の大きさを揃えるのが難しいときは、デジタルなら「コピー&ペースト」して反転させるという裏技も使えます。
- 髪の毛は「束」で捉える: 髪を一本一本描こうとすると、ボサボサに見えてしまいます。まずは「前髪」「横髪」「後ろ髪」とブロック分けして、大きな束として描くのがコツです。
- 服を描く: 体のラインに沿って服を描きます。このとき、体よりも一回り大きく描くと、布のゆとりが表現できてリアルになります。
下描きが終わった段階で、一度画面を遠ざけて見てみましょう。あるいは鏡に映してみるのも良い方法です。違和感があれば、この段階でしっかり修正しておきます。
ステップ4:震える線を味方につける「ペン入れ」
下描きができたら、次は本番の線を引く「ペン入れ」です。ここが一番緊張する瞬間ですよね。
アナログならミリペンやGペン、デジタルなら「Gペン」や「丸ペン」などのブラシ設定を選びます。
- 一気に引く: 線がガタガタになってしまう原因は、少しずつ慎重に描こうとして手が震えてしまうからです。長い線は、息を止めるくらいの気持ちでシュッと一気に引くと綺麗になります。
- デジタルの機能をフル活用: デジタルなら「手ブレ補正」という神機能があります。これを少し強めに設定するだけで、プロのような滑らかな線が引けるようになります。
- 線の強弱: 輪郭線は太めに、目の中や服のシワなどの細かい部分は細めに描くと、イラストにメリハリが出て「漫画らしさ」がアップします。
ペン入れが終わったら、下描きの鉛筆線を消しゴムで消します(デジタルの場合は下書きレイヤーを非表示にします)。真っ白な紙に綺麗な線だけが残った瞬間は、最高の達成感ですよ!
ステップ5:仕上げの「ベタ」と「着彩」で完成!
最後は仕上げの工程です。白黒の漫画風にするか、カラーイラストにするかで作業が変わります。
【漫画風(モノクロ)の場合】
- ベタ塗り: 髪の毛や影の部分を真っ黒に塗りつぶします。これだけで画面が引き締まります。
- トーン貼り: 影の部分や服の柄に、ドット状の「スクリーントーン」を貼ります。デジタルなら、塗りつぶしツールで簡単に貼ることができます。
【イラスト風(カラー)の場合】
- 下塗り: まずはパーツごとに基本となる色(肌色、髪の色など)を、はみ出さないように塗ります。
- 影をつける: 光がどこから当たっているかを決めて、反対側に影の色を置きます。最初は1色だけ影を乗せる「アニメ塗り」を意識すると、シンプルで清潔感のある仕上がりになります。
仕上げに、瞳の中に白い「ハイライト」をポンと入れるだけで、キャラクターに一気に魂が宿ります。
挫折しないためのマインドセットと上達のコツ
描き方は分かったけれど、実際にやってみると上手くいかない……。そんなときに思い出してほしいポイントがいくつかあります。
- 「模写」を恐れない:自分の頭の中にあるイメージだけで描くのは、プロでも難しいことです。好きな漫画家の絵を横に置いて、「目はどうなっているか」「髪の束はどう分かれているか」をじっくり観察して真似することから始めましょう。模写は上達への最短ルートです。
- 資料を必ず見る:手の形が分からないなら、自分の手をiphoneで撮影して見本にしましょう。服のシワが分からないなら、鏡の前で同じポーズをとってみてください。想像で描かないことが、リアリティを生みます。
- 1枚を完成させる:完璧主義にならず、多少失敗しても最後まで描き切ることが大切です。100枚の「練習描き」よりも、1枚の「完成させた絵」の方が、あなたを成長させてくれます。
初心者でも簡単!漫画イラストの描き方、基本のプロセスを解説:まとめ
いかがでしたか?「漫画イラストの描き方」は、複雑そうに見えて、実はシンプルなプロセスの積み重ねです。
- 道具を揃える(まずは身近なものから、できればデジタルへ)
- ラフを描く(ざっくりとしたイメージを形にする)
- アタリを取る(十字線で顔のバランスを整える)
- 下描きをする(資料を見ながら具体的に描き込む)
- ペン入れをする(勢いよく線を引く)
- 仕上げをする(ベタや着彩で完成度を上げる)
この手順を一つずつ守っていけば、必ず「自分にしか描けないキャラクター」が誕生します。最初は線が震えても、左右の目の大きさが違っても大丈夫。描くたびに、あなたの手は少しずつ自由になっていくはずです。
まずは今日、手近にある紙とペンを持って、小さな「丸(アタリ)」を描くことから始めてみませんか?その一歩が、クリエイティブな世界への扉を開いてくれるはずです。
初心者でも簡単!漫画イラストの描き方、基本のプロセスを解説を最後までお読みいただきありがとうございました。あなたの創作活動が、楽しく素晴らしいものになることを心から応援しています!

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