漫画のストーリーが浮かばない時に試したい、7つの発想法とは?

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「漫画を描きたいのに、肝心のストーリーが全く浮かばない……」

白い原稿用紙や液晶タブレットの画面を前に、ペンが止まったまま数時間が過ぎていく。そんな経験、漫画描きなら誰しも一度はありますよね。アイデアの神様は気まぐれで、待っているだけではなかなか降りてきてくれません。

実は、面白い漫画のストーリーには「作り方の型」が存在します。プロの作家さんも、ただひらめきを待っているわけではなく、独自の「発想法」を駆使して物語をひねり出しているのです。

今回は、物語の種が枯渇してしまった時にぜひ試してほしい、実践的な7つの発想法をご紹介します。この記事を読み終える頃には、あなたの脳内に新しい物語の輪郭が見えてきているはずです。


1. 「変化(ビフォーアフター)」から逆算して作る

物語の本質とは、一言で言えば「キャラクターの変化」です。ストーリーが浮かばない時は、まず「主人公をどう変えたいか」という結末から考えてみましょう。

例えば、「臆病だった少年が、最後には大切な人を守るために勇気を振り絞る」という変化をゴールに設定します。すると、逆算して「最初はどれくらい臆病だったのか?」「何がきっかけで勇気が必要になったのか?」という要素が自然と決まっていきます。

  • 変化前: 自分の意見を言えない内気な性格
  • 変化後: 大勢の前で真実を叫ぶ
  • 必要なイベント: 嘘で誰かが傷つくシーン、真実を知っているのが自分だけという状況

このように「A地点からB地点への移動」を先に決めると、その間を埋めるエピソードが芋づる式に出てくるようになります。

2. 「キャラの欠落と欲求」を深掘りする

ストーリーを動かすのは設定ではなく、キャラクターの「心」です。特に、そのキャラが「持っていないもの(欠落)」と「喉から手が出るほど欲しいもの(欲求)」に注目してください。

人間は、満たされている時には行動しません。何かが足りないからこそ、それを埋めるために必死に動きます。その「必死な動き」こそがストーリーになります。

  • 欠落: 家族の愛を知らない
  • 欲求: 誰かに認めてもらいたい
  • 行動: 無謀な手柄を立てようとしてトラブルに巻き込まれる

主人公に「これだけは譲れない」という強い欲求を与えてみてください。すると、こちらが頭を悩ませなくても、キャラクターが勝手にトラブルに首を突っ込み、物語を転がし始めてくれます。

3. 異質な要素を「掛け合わせ」てみる

全く新しいアイデアを生み出すのは至難の業ですが、「既存の要素を組み合わせる」ことなら誰にでもできます。全く関係のない二つのキーワードを強制的に合体させてみましょう。

例えば、「料理」と「格闘」を組み合わせれば、伝説の料理漫画のような熱い展開が生まれます。「将棋」と「オカルト」なら、霊が指し手を教えるミステリアスな話になるかもしれません。

この時のコツは、できるだけ遠いジャンルを合わせることです。

「ファンタジー」×「魔法」は近すぎて驚きがありませんが、「ファンタジー」×「税務署」とすれば、「異世界の勇者から税金を徴収する役人の物語」という斬新な切り口が見えてきます。

スケッチブックに、思いつく限りの名詞を書き出し、ランダムに二つ選んで物語の核を作ってみてください。

4. 「感情のピーク」を先にビジュアル化する

「ストーリーの整合性を取ろう」と理屈で考えると、どんどん筆が重くなります。そんな時は、理屈を捨てて「自分が一番描きたいシーン」の1コマだけを想像してみてください。

  • 絶望して泣き叫んでいる顔
  • 愛の告白をして真っ赤になっている顔
  • ライバルを倒して不敵に笑う顔

その「感情の爆発」がある1コマこそが、その作品の魂です。その1コマを最高の形で描くためには、どんな前振りが必用か、どんな関係性があればその表情が活きるかを考えてみてください。

「この顔を描くためだけに、この20ページがあるんだ」という強い気持ちが、ストーリーを引き寄せる磁石になります。

5. 日常の「違和感」をエクストリームにする

ネタは遠くにあるのではなく、案外あなたの身近に転がっています。今日、生活の中で感じた「ちょっと嫌だな」「不思議だな」という小さな感情を、100倍くらいに膨らませてみてください。

例えば、「満員電車が苦痛だ」という日常の不満をエクストリームにするとどうなるでしょうか。

「もし、電車から降りるために命がけのゲームに勝たなければならなかったら?」

「もし、一生電車の中で生活しなければならない世界だったら?」

日常の些細なフックを極端な設定に飛ばすことで、読者が共感しつつも驚く、独特な世界観が構築されます。

6. 「if(もしも)」の条件を1つだけ変える

王道のストーリーや、あなたが好きな既存の作品を思い浮かべてください。その中の設定を、たった一つだけ「もし〜だったら」とひっくり返してみる手法です。

  • もし、ヒーローが世界で一番弱かったら?
  • もし、ヒロインが実は物語のラスボスだったら?
  • もし、魔法を使えば使うほど寿命が伸びる世界だったら?

一つ条件を変えるだけで、従来のテンプレート的な展開は通用しなくなります。その「矛盾」を解決しようと頭を使う過程で、あなたにしか描けないオリジナルの展開が芽生え始めます。

7. 演出の「引き出し」を組み替える

「ネタ切れ」だと感じる時、実はインプットが足りないのではなく、持っているネタの「使い方」が固執しているだけかもしれません。

プロの漫画家は、多くの「演出パターン」を持っています。例えば「ライバルが登場するシーン」一つとっても、上から見下ろすのか、後ろから声をかけるのか、意外な場所で再会するのか、バリエーションは無限です。

自分の好きな作品をkindleなどで読み返し、「なぜ自分はこのシーンでワクワクしたのか?」を言語化してストックしておきましょう。

「絶体絶命の時に、かつての敵が助けに来る」という構造さえ分かれば、それを自分のキャラと世界観に当てはめるだけで、立派なストーリーの骨組みになります。


ストーリー作りを「楽しむ」ためのマインドセット

ここまで7つの発想法を紹介してきましたが、最も大切なのは「最初から完璧を目指さないこと」です。

ストーリーが浮かばない最大の原因は、自分の中にいる「厳しい批評家」が、出したアイデアを片っ端からボツにしてしまうことにあります。「こんなの面白くない」「どこかで見たことがある」という心の声を、一度黙らせてあげてください。

まずは、どんなにありきたりでも、どんなに支離滅裂でもいいから最後まで書き上げてみる。形にすることで初めて、どこを直せば面白くなるかが見えてきます。

iPadのメモ機能やノートを使い、今回紹介した発想法をパズルのように組み合わせて遊んでみてください。苦しみながら絞り出すのではなく、実験を楽しむ感覚が、良いアイデアを呼び込む秘訣です。

漫画のストーリーが浮かばない時に試したい、7つの発想法とは?(まとめ)

いかがでしたでしょうか。

漫画のストーリー作りは、真っ暗なトンネルを歩くような作業ですが、正しい「発想法」というライトを持っていれば、必ず出口に辿り着けます。

  1. 「変化」から逆算する
  2. 「欠落と欲求」を掘り下げる
  3. 「掛け合わせ」で新機軸を作る
  4. 「感情のピーク」から描く
  5. 「日常の違和感」を極端にする
  6. 「もしも」で前提を壊す
  7. 「演出の引き出し」を活用する

「漫画のストーリーが浮かばない」と悩む時間は、あなたが作品に対して真剣に向き合っている証拠です。その悩みこそが、次の名作を生み出すためのエネルギーになります。

まずは、今回紹介した中から一番「自分に合いそうだな」と思うものを一つ選んで、ペンを動かしてみてください。あなたの想像力が形になり、素晴らしい作品が生まれることを心から応援しています。

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