「ジョジョの奇妙な冒険」という偉大なサーガの幕開け、それが第1部「ファントムブラッド」です。19世紀の英国を舞台に、光と影のように対照的な二人の青年の運命が交錯するこの物語は、今なお多くのファンを熱狂させています。
「ジョジョって名前は知っているけど、1部にはどんなキャラがいるの?」「あの有名な名言はどのキャラが言ったの?」そんな疑問を持つ方に向けて、今回は第1部の主要キャラクターを深掘りして解説します。彼らが織りなす「人間讃歌」の物語を、その能力や名言とともに振り返っていきましょう。
宿命の対決!ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドー
第1部の根幹をなすのは、主人公ジョナサンと宿敵ディオの、血の凍るような執念とプライドのぶつかり合いです。この二人の関係性を知らずして、ジョジョを語ることはできません。
正真正銘の紳士を目指す「ジョナサン・ジョースター」
物語の主人公であり、後に続くジョースター家の黄金の精神の源流となるのがジョナサンです。愛称は「ジョジョ」。イギリス貴族の一人息子として生まれ、真っ直ぐな正義感と優しさを持って育ちました。
しかし、彼の人生は養子としてやってきたディオによって一変します。愛犬を殺され、恋人を侮辱され、父までもが命を狙われる……。絶望的な状況に追い込まれながらも、ジョナサンは決して折れませんでした。彼は「勇気」を武器に、人智を超えた存在へと変貌したディオに立ち向かいます。
物語の後半、ウィル・A・ツェペリから「波紋」の教えを受けた彼は、太陽と同じエネルギーを体に宿し、吸血鬼と化したディオと決戦に臨みます。彼の最大の武器は、格闘技術でも波紋でもなく、愛する者のために命を懸けられる「自己犠牲の精神」そのものでした。
【代表的な名言】
「ふるえるぞハート! 燃えつきるほどヒ―――ト!!」
「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」
悪のカリスマの原点「ディオ・ブランドー」
ジョナサンと対をなす、シリーズ史上最も強烈な悪役がディオです。スラム街で育ち、アルコール依存症の父を憎みながら這い上がってきた彼は、ジョースター家の財産を乗っ取ろうと画策します。
物語の途中で「人間であること」に限界を感じた彼は、石仮面を被り吸血鬼へと変貌します。「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」というあまりにも有名な台詞は、彼の傲慢さと、人間をただの餌としか見ていない冷酷さを象徴しています。
ディオの魅力は、その圧倒的な力だけではありません。周囲を惹きつけるカリスマ性と、目的のためならどんな卑劣な手段も厭わない徹底した「悪」の美学。1部ラストでジョナサンの肉体を奪おうとする執念は、物語を第3部、さらには第6部へと繋ぐ重要な伏線となります。
【代表的な名言】
「人間をやめるぞ! ジョジョーッ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッ!!」
物語を支える最高の師匠と仲間たち
ジョナサンがディオに立ち向かうことができたのは、彼を導き、支え、共に戦った仲間たちの存在があったからです。
勇気の伝道師「ウィル・A・ツェペリ」
「パパウ パウパウ」という独特な擬音と共に登場するツェペリ男爵は、ジョナサンに「波紋」を伝授した師匠です。かつて石仮面によって父を失った過去を持ち、石仮面を破壊するために人生を捧げてきました。
彼が説いた「人間讃歌は『勇気』の讃歌ッ!! 人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!」という言葉は、作品全体のテーマを象徴しています。彼は自分の死が迫っていることを予言によって知りながらも、それを恐れずに受け入れ、ジョナサンに自らの全生命エネルギーを託しました。その気高い最期は、多くの読者の涙を誘いました。
最高の解説役にして戦友「ロバート・E・O・スピードワゴン」
ロンドンの暗黒街、食屍鬼街(オウガーストリート)のボスだったスピードワゴン。当初はジョナサンを襲いますが、彼の紳士的な振る舞いと覚悟に打たれ、生涯の友人となります。
戦闘能力自体は高くありませんが、彼の真価は「お節介な解説」と「揺るぎない友情」にあります。戦いの緊迫感を高める状況説明や、誰よりも熱くジョナサンを応援する姿勢は、読者の視点を代弁する存在として愛されています。
また、彼が後に設立する「スピードワゴン財団」は、ジョジョシリーズ全体を通してジョースター一行を資金・技術面でバックアップし続ける、物語に欠かせない組織となります。
【代表的な名言】
「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッ――――ッ!!」
「スピードワゴンはクールに去るぜ」
強き精神を持つヒロイン「エリナ・ペンドルトン」
ジョナサンの幼馴染であり、後に妻となる女性です。ディオに強制的にキスをされるという屈辱的な嫌がらせを受けた際、泥水で口を洗って抵抗したエピソードは、彼女がただ守られるだけの存在ではない「強い精神」の持ち主であることを示しています。
最終局面で、ジョナサンと共に豪華客船の爆破に巻き込まれながらも、ジョナサンの遺志を継いで赤ん坊を救い出し生き延びました。彼女の強さは、第2部「戦闘潮流」においてもジョセフ・ジョースターを育てる厳格な祖母として発揮されます。
ディオに付き従う闇の軍勢
ディオは石仮面の力で死者を蘇らせ、強力なゾンビの軍団を作り上げます。その中には、歴史上の英雄や凶悪な殺人鬼も含まれていました。
伝説の騎士「ブラフォード」と「タルカス」
かつてメアリー・ステュアートに仕えた伝説の双子の騎士です。ディオの力でゾンビとして復活させられました。
ブラフォードは、自在に操る長い髪で戦う「死髪舞剣(ダンス・マカブール)」の使い手です。彼はジョナサンとの戦いの中で「痛み」を感じることで人間としての誇りを取り戻し、最後に「幸運(LUCK)」と「勇気(PLUCK)」と刻まれた剣を託して消滅しました。
一方のタルカスは、ブラフォードとは対照的に冷酷非道なパワーファイターです。ツェペリを死に至らしめる「双首竜の間」での死闘は、1部における最大の絶望シーンの一つと言えるでしょう。
闇から迫る刺客たち
- 切り裂きジャック: ロンドンを震撼させた殺人鬼がゾンビ化した姿。馬の体内に潜り込んで襲いかかるという猟奇的な戦術でジョナサンたちを追い詰めました。
- ワンチェン: ディオに毒薬を売った中国人。後にディオの側近となり、生首だけになったディオを抱えてジョナサンの前に現れます。
独特の能力「波紋」と「吸血鬼の力」
第1部における戦闘は、後の「スタンド」とは異なる、肉体とエネルギーのぶつかり合いがメインです。
太陽のエネルギー「波紋」
呼吸法によって血液の流れをコントロールし、生命エネルギーを練り上げる技術です。このエネルギーは太陽光と同じ性質を持っており、太陽を弱点とする吸血鬼やゾンビを消滅させることができます。水面を歩いたり、枯れた木に花を咲かせたりと、その応用範囲は多岐にわたります。
人間を超越した「吸血鬼の能力」
石仮面によって脳の潜在能力を引き出されたディオは、驚異的な再生能力に加え、触れた箇所を凍らせる「気化冷凍法」を編み出しました。これにより、波紋エネルギーを伝える血液を凍らせ、ジョナサンの攻撃を封じ込めたのです。また、目から高圧で体液を発射する「空裂眼刺驚(スペース・リパー・スティンギー・アイズ)」など、トリッキーな技も持っています。
脇を固める印象的なサブキャラクター
短期間の登場ながら、読者の心に刻まれるキャラクターが多いのもジョジョの魅力です。
誇り高き父「ジョージ・ジョースター1世」
ジョナサンの父親。ディオの出自を知りながらも分け隔てなく育てようとした、真の紳士です。最期はディオがジョナサンに向けて放ったナイフを身代わりに受けて命を落としました。彼の厳格さと深い愛が、ジョナサンの精神を形成しました。
未来を切り拓く少年「ポコ」
タルカスとの戦いで、姉を守るために恐怖を乗り越え、狭い窓から部屋に侵入して鍵を開けた少年です。「あしたっていまさッ!」という彼の決意は、どんなに小さく弱くても、勇気を持って行動すれば運命を変えられることを証明しました。
東洋からの援軍「トンペティ」「ダイアー」「ストレイツォ」
ツェペリの同門である波紋の達人たち。特にダイアーの放った「稲妻十字空烈刃(サンダークロス・スプリット・アタック)」は、ディオに破られはしたものの、ファンの間では非常に有名な技として語り継がれています。ストレイツォは、この1部での経験が2部での衝撃的な行動へと繋がっていきます。
まとめ:ジョジョ1部の全主要キャラを徹底解説!相関図・名言・能力から物語の魅力を解剖
「ジョジョの奇妙な冒険 第1部」のキャラクターたちは、それぞれが独自の信念や野望を持って生きています。
ジョナサンの真っ直ぐな意志、ディオの底知れぬ悪意、ツェペリの自己犠牲、そしてスピードワゴンの情熱。彼らの生き様がぶつかり合うことで、単なるアクション漫画を超えた「人間讃歌」のドラマが生まれました。
もし、この記事を読んでキャラクターたちに興味が湧いたなら、ぜひ原作漫画やアニメで彼らの活躍を直接その目で確かめてみてください。1部を深く知ることで、現在も連載が続くシリーズ全体の重みが、より一層増して感じられるはずです。
ジョジョの世界をより楽しむために、例えばジョジョの奇妙な冒険 第1部 モノクロ版をチェックして、荒木飛呂彦先生の初期の力強い筆致に触れてみるのもおすすめです。
物語はここから始まり、世代を超えて受け継がれていきます。次は第2部「戦闘潮流」で、新たな「ジョジョ」と出会う旅に出かけてみませんか?

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