「ジョジョの奇妙な冒険」を語る上で、避けては通れないあまりにも有名なシーンがあります。夕日を背に、あるいは決意の影を背負い、宿敵の館を見上げる男たち。そして画面中央に轟く「バーーン」という描き文字。
ファンの間で「行くぞ!バーン」の愛称で親しまれるこの名シーンは、なぜこれほどまでに私たちの心を掴んで離さないのでしょうか。今回は、その元ネタが原作の何巻にあるのかという基本情報から、荒木飛呂彦先生が仕掛けた視覚演出の秘密、そして読者がこのシーンに抱く特別な感情までを徹底的に深掘りしていきます。
「行くぞ!」バーンの元ネタは第3部単行本26巻!
まず結論からお伝えしましょう。この伝説的なシーンが登場するのは、**『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース』の単行本26巻(文庫版では17巻)**です。
エジプトでの長い旅路の果て、ついに宿敵DIOの潜む館を突き止めた空条承太郎、ジョセフ・ジョースター、モハメド・アヴドゥル、花京院典明、ジャン・ピエール・ポルナレフ、そしてイギー。この6人が館の前に並び立ち、決死の突入を試みる直前のカットです。
アニメ版でもこのシーンは非常に重厚に描かれており、小野大輔さん演じる承太郎の低く重みのある「行くぞ」という声とともに、あの巨大な擬音が画面を支配しました。この瞬間、読者や視聴者のボルテージは最高潮に達するのです。
圧倒的な威圧感!擬音「バーン」が持つ視覚的効果
ジョジョといえば「ゴゴゴ」や「メメタァ」など独特な擬音が有名ですが、このシーンの「バーーン」はそれらとは一線を画す役割を持っています。
通常、漫画における擬音は「音」を説明するためのものです。しかし、この突入シーンにおける「バーン」は、物理的な爆発音が鳴っているわけではありません。これはキャラクターたちの内部から溢れ出す**「覚悟の爆発」**であり、読者に対して「ここから物語が最終局面へ動くぞ」という宣言を視覚化したものなのです。
荒木飛呂彦先生はインタビュー等で、音を「絵の一部」として捉えていると語っています。文字の形、太さ、配置そのものがデザインとして完成されており、文字があることで空間に奥行きと重圧感が生まれる。このシーンの「バーン」は、まさにその最高傑作の一つと言えるでしょう。
6人の戦士が揃う「最後で最高」の瞬間
このシーンが語り継がれる最大の理由は、その後に待ち受ける過酷な運命との対比にあります。
館へ突入するこの時点では、イギーも含めた6人全員が生存しています。これまでの旅で絆を深め、数々の刺客を退けてきた最強のチーム。彼らが一列に並び、これから始まる死闘を見据える姿は、一種の「英雄の肖像」のような美しさを持っています。
しかし、物語を知るファンにとって、この「行くぞ!」は非常に切ない響きを持ちます。この直後、館の中では凄惨なバトルが繰り広げられ、仲間たちが次々と命を落としていくことになるからです。
「全員が揃っている最後の瞬間」という事実が、このシーンに神々しいまでの輝きを与えています。SNSなどでこの画像がシェアされる際、多くのファンが「この時に戻ってほしい」「みんな生きていてほしかった」とリプライを送るのは、このシーンが旅のピークであると同時に、別れの始まりでもあることを知っているからなのです。
荒木流「構図の美学」:なぜ背中だけで語れるのか
このシーンをよく見ると、全員がカメラ目線でキメているわけではありません。館を見上げる後ろ姿や、鋭い視線を送る横顔など、キャラクターごとにバラバラな方向を向いています。
それにもかかわらず、チームとしての圧倒的な一体感を感じるのはなぜでしょうか。それは、全員の「目的」がDIOという一点に集中していることが、構図から伝わってくるからです。
- 承太郎の揺るぎない背中
- ジョセフの年長者としての重み
- アヴドゥルとイギーの静かな決意
- ポルナレフと花京院の鋭い闘志
それぞれのポージングが、これまでの長い旅路で培った個性を反映しており、読者はその背中を見るだけで彼らの心情を読み取ることができます。派手なアクションシーンではなく、ただ「立っているだけ」のシーンにこれほどの情報量を詰め込めるのは、まさに荒木先生の画力の真骨頂です。
ネットミームとしての広がりと「お約束」
「行くぞ!バーン」というフレーズは、現在ではジョジョファンの枠を超えて、ネット上のミーム(お約束)としても定着しています。
例えば、何か重大な決断をする時や、困難な課題に立ち向かう時、掲示板やSNSでこの画像を貼るのが定番となっています。「さあ、やるぞ」という気合入れの象徴として使われているのです。
また、パロディとしても非常に人気があります。他の作品のキャラクターをこの構図で並べたり、日常の些細な風景に「バーーン」という文字を合成したりするだけで、途端に「ジョジョ風の壮大な覚悟」が演出されるからです。それほどまでに、この構図と擬音のセットは強力なアイコンとして認知されています。
旅の終わりを見届けるために読み返したい1冊
もしあなたが最近ジョジョを読み始めた、あるいはアニメで興味を持ったのであれば、ぜひ原作漫画の26巻を手に取ってみてください。
紙のページをめくり、見開きに近い大迫力で現れる「バーーン」の文字を体感するのは、デジタルとはまた違った感動があります。インクの黒さが際立つあのページには、1980年代から90年代にかけて少年ジャンプを熱狂させたエネルギーが凝縮されています。
ジョジョの物語は、この後さらに加速し、伝説の「無駄無駄」ラッシュや「ロードローラー」へと繋がっていきます。その全ての起点となるのが、この館突入のシーンなのです。
まとめ:ジョジョ「行くぞ!」バーンの元ネタは希望と覚悟の象徴
さて、ここまで「行くぞ!バーン」というフレーズと、その背景にある深い魅力について紐解いてきました。
このシーンが単なる漫画の一コマを超えて、多くの人の心に刻まれているのは、それが「仲間と共に困難へ立ち向かう勇気」を完璧な構図と斬新な擬音で表現しているからに他なりません。荒木先生が描いた「バーン」という文字は、単なる音ではなく、私たちの心に火を灯す情熱の響きなのです。
原作を未読の方は、ぜひ単行本でその衝撃を味わってください。そして、何か大きな壁にぶつかった時は、心の中で彼らのように叫んでみてください。「行くぞ!」と。
ジョジョ「行くぞ!」バーンの元ネタは何巻?名シーンの感動と擬音の演出を徹底解説をお届けしました。あなたのジョジョライフが、さらに熱いものになることを願っています。

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