「ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない」には、強烈な個性を放つキャラクターが数多く登場します。その中でも、初登場時の最悪な印象から一転、物語終盤で読者の心をわし掴みにしていった男がいます。
そう、自称「追跡のプロ」、噴上裕也(ふんがみ ゆうや)です。
顎に刻まれた「H・S」のタトゥー、常に3人の美女を引き連れるナルシズム、そして何より執念深いスタンド能力。今回は、ジョジョファンから根強い人気を誇る噴上裕也のプロフィール、スタンド「ハイウェイ・スター」の性能、そして彼がなぜ「最高にカッコいい」と言われるのか、その魅力を徹底的に網羅して解説します。
噴上裕也とは?暴走族の高校生が放つ異彩のプロフィール
噴上裕也は、M県S市杜王町に住む暴走族の高校生です。ジョジョ4部の舞台となるこの町において、彼はある意味で最も「今時(連載当時)の若者」らしい危うさと派手さを持ったキャラクターとして描かれました。
ナルシストで女好き、でも筋は通す男
彼の最大の特徴は、自分自身を「最高にカッコいい」と疑わない圧倒的なナルシズムです。常に3人の親衛隊(明美、麗子、ヨシエ)を従え、入院中であっても彼女たちに身の回りの世話をさせる徹底ぶり。
しかし、単なるチャラい男で終わらないのが噴上裕也の深みです。彼は自分の美学に反すること、あるいは自分が「ダサい」と思うことを極端に嫌います。この独自の美学が、後に東方仗助との共闘において、物語屈指の名シーンを生み出す原動力となりました。
バイク事故から始まったスタンド使いへの道
彼がスタンド能力に目覚めたきっかけは、バイクでのスピード出しすぎによる事故でした。瀕死の重傷を負って入院していた際、虹村形兆が持っていた「弓と矢」によって射抜かれ、スタンド使いとなったのです。
事故の後遺症で全身複雑骨折というボロボロの状態だった彼は、自分の体を治癒させるために、スタンドを使って他人の「養分」を奪い取るという暴挙に出ます。これが、主人公・仗助たちとの最初の接点となりました。
スタンド「ハイウェイ・スター」の驚異的な性能と元ネタ
噴上裕也のスタンド「ハイウェイ・スター」は、第4部の中でも屈指の「初見殺し」な能力を持っています。その性能は、まさに「追跡」に特化した恐ろしいものです。
標的を逃さない時速60kmの追跡
ハイウェイ・スターは、人型のスタンドでありながら、自身の体を「足跡」の形に細かく分解して移動することができます。最大の特徴は、標的の匂いを一度覚えると、時速60kmという絶妙なスピードでどこまでも追い続ける点です。
「時速60km」というのは、街中を走るバイクや車であれば、信号やカーブで必ず捕まってしまう速度です。逃げ場のないトンネル内でこのスタンドに狙われる絶望感は、読者に強いインパクトを与えました。
養分吸収による本体の治癒
このスタンドの真の恐ろしさは、接触した対象から「養分」を吸い取ることです。吸い取られた人間は急激に衰弱し、動くことすらままならなくなります。そして奪ったエネルギーは、病院のベッドに横たわる本体・噴上裕也に送られ、彼の怪我を驚異的なスピードで回復させていきました。
超人的な「嗅覚」という隠れた才能
スタンドの能力とは別に、噴上裕也自身が持つ「鼻」の良さも見逃せません。彼は匂いだけで相手の感情を読み取ることができます。
- 相手が嘘をついているか
- 恐怖を感じているか(アドレナリンの匂い)
- どこに誰が隠れているか
この嗅覚は、戦闘において非常に強力な索敵ツールとなります。実際、エニグマの少年との戦いでは、この鼻が勝利の決定打となりました。
なお、このスタンドの名前の由来は、伝説的ロックバンド「ディープ・パープル」の名曲Highway Starから取られています。スピード狂の男を歌ったこの曲は、まさに噴上裕也というキャラクターにぴったりな選曲と言えるでしょう。
敵から味方へ!エニグマ戦で見せた「漢」のプライド
初登場時は、自分の怪我を治すために他人の命を犠牲にする「卑劣な敵」として描かれた噴上裕也。しかし、再登場した際、彼は物語の中で最も熱い成長を遂げます。
仗助との奇妙な信頼関係
広瀬康一が行方不明になり、敵の正体も居場所も掴めない絶望的な状況で、仗助は入院中の噴上に協力を仰ぎます。最初は「自分には関係ない」と突っぱねる噴上でしたが、仗助はクレイジー・ダイヤモンドの能力で、あえて噴上の怪我を完治させます。
「万全な体にしてやったんだから、協力しろ」という仗助の理屈。これに対し、噴上は「恩を売られたままでは自分の美学に反する」として、捜索に加わることを決めます。この、馴れ合いではない「貸し借り」の関係が、ジョジョらしいプロフェッショナルな共闘を感じさせます。
恐怖を乗り越える勇気
エニグマの少年の能力によって、仗助までもが紙の中に閉じ込められてしまった時、噴上は極限の選択を迫られます。
敵は、対象が「恐怖のサイン」を見せた瞬間に紙に閉じ込める能力者。噴上の優れた鼻は、自分自身が感じている「死への恐怖」を敏感に察知してしまいます。普通なら逃げ出してもおかしくない状況ですが、彼は逃げませんでした。
「ここで逃げたら、一生ダサいまま。仗助に借りを作ったままになる」
彼は、自分が紙にされるリスクを百も承知で、敵の懐へ飛び込みます。そして、自身が紙に吸い込まれながらも、仗助が閉じ込められた紙を奪還することに成功したのです。
読者の心に刻まれた名言と美学
噴上裕也がこれほどまでに愛される理由は、彼の言葉の中に「確固たる自分」があるからです。
「おれってよぉ〜〜っ、やっぱりカッコイイぜ……」
エニグマ戦で自らを犠牲にして仗助を救い出した後、紙に吸い込まれながら彼が口にしたセリフです。これこそ、噴上裕也という男の真骨頂です。
普通、自己犠牲のシーンでは謙虚な言葉が出るものですが、彼は最後まで自分を褒め称えます。しかし、その言葉には「自分の信念を貫き通した」という深い達成感が込められていました。このセリフを聞いた瞬間、多くの読者が「噴上、お前は本当にカッコいいよ!」と心の中で叫んだはずです。
「鉄鉄(てつてつ)の鉄だぜ!」
彼の独特な言い回しの一つです。気合が入っている時や、物事が完璧であることを表現する際に使われます。こうした独特の言語センスも、荒木飛呂彦先生の描くキャラクターらしい魅力に溢れています。
噴上裕也をさらに楽しむための関連アイテム
ジョジョ4部の物語をより深く体験するためには、原作漫画やアニメはもちろん、関連する楽曲やアイテムをチェックするのもおすすめです。
まず、彼のスタンドの元ネタであるDeep Purpleの楽曲は必聴です。1970年代のハードロックが持つ疾走感を感じながらエピソードを読み返すと、ハイウェイ・スターの不気味な追走劇がいっそうスリリングに感じられるでしょう。
また、噴上のナルシズム溢れる立ち振る舞いを存分に楽しみたいなら、アニメ版の視聴は欠かせません。声優の谷山紀章さんが演じる噴上裕也は、甘い声の中に潜む狂気と、土壇場で見せる男気が見事に表現されています。
フィギュアなどのグッズも人気が高く、超像可動 ジョジョシリーズでは、彼の特徴的なポージングや、ハイウェイ・スターの「足跡」パーツが再現されたものも展開されています。デスクに飾れば、彼の放つ「カッコよさ」がいつでも感じられるはずです。
まとめ:ジョジョ4部・噴上裕也を徹底解説!最強の嗅覚と名言、ハイウェイ・スターの魅力を網羅
噴上裕也というキャラクターを振り返ってみると、彼は「完璧な正義の味方」ではありませんでした。最初は自分の利益のために他人を傷つける、ごく普通の(そして少し鼻持ちならない)悪党でした。
しかし、東方仗助という「黄金の精神」を持つ男と出会い、命を懸けたやり取りを通じたことで、彼の中にある「美学」が昇華されました。自分が最も価値を置く「カッコよさ」のために、死の恐怖を乗り越えて仲間に未来を託す。その姿は、紛れもなく杜王町の守護者の一人でした。
最強の追跡能力を持つハイウェイ・スター、そして誰よりも鋭い嗅覚で真実を嗅ぎ分ける噴上裕也。彼の生き様は、ジョジョという作品が描く「人間讃歌」のひとつの完成形と言えるかもしれません。
もし、これからジョジョ4部を読み返す、あるいは初めて観るという方がいれば、ぜひ噴上の「鼻」と「プライド」に注目してみてください。きっと、彼が最後に見せる最高の笑顔に、あなたも魅了されるはずです。
ジョジョ4部・噴上裕也を徹底解説!最強の嗅覚と名言、ハイウェイ・スターの魅力を網羅したこの記事が、あなたのジョジョライフをより豊かにする一助となれば幸いです。

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