『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』を愛するすべての護衛チーム・暗殺チームファンの皆さま、こんにちは。あの衝撃的なラストから時を経て、私たちは再びパッショーネの血塗られた歴史に触れることになりました。
2025年7月に発売された短編集『紅い遺言』。本書は、本編では語り尽くせなかった「悪役たちの矜持」にスポットを当てた、ファン垂涎のスピンオフ小説集です。
なぜ彼らはあの時、命を賭してまで戦ったのか。なぜ彼らの絆はあれほどまでに強固で、そして脆かったのか。今回は、この「紅い遺言」の内容や見どころを、原作への愛を込めて徹底的に紐解いていきます。
暗殺チームの「語られなかった日常」がここにある
原作第5部において、暗殺チームは主人公ジョルノたちの最大の壁として立ちはだかりました。しかし、彼らがどのように出会い、どのような任務をこなしていたのか、その詳細は長らく謎に包まれていました。
『紅い遺言』の最大の魅力は、リゾット・ネエロ率いる暗殺チームの「行間」を埋めるエピソードが凝縮されている点にあります。執筆陣には、ジョジョのノベライズで定評のある安藤敬而氏や北國ばらっど氏らが名を連ね、荒木飛呂彦先生の独特な台詞回しや世界観を驚くほど忠実に再現しています。
例えば、リゾットを主役としたエピソードでは、彼の冷静沈着な判断力の裏にある「リーダーとしての孤独」や、部下たちへの静かな信頼が描かれています。単なる殺人集団ではない、プロフェッショナルとしての彼らの姿に、改めて胸を熱くする読者は多いはずです。
プロシュートとペッシ:受け継がれる「覚悟」の原点
暗殺チームの中でも屈指の人気を誇るコンビといえば、やはりプロシュート兄貴とペッシでしょう。彼らを描いた短編「オレ自慢の針と糸」では、本編のフィレンツェ行き特急列車での死闘へと繋がる、二人の絆の深掘りがなされています。
ペッシがまだ「ママっ子」と呼ばれていた頃、プロシュートは彼の中に何を見ていたのか。そして、プロシュート自身が背負っていたギャングとしての誇りとは何だったのか。
この物語を読むと、あの「『ぶっ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」という名言の重みがさらに増します。彼らの関係性は単なる師弟ではなく、血よりも濃い「暗黒の黄金の精神」で結ばれていたことが伝わってきます。
禁断の領域:ソルベとジェラートの真相
多くのファンが本書を手に取る最大の理由は、書き下ろしエピソードとして収録された「ソルベとジェラート」の物語ではないでしょうか。
原作では、組織のボスを調べようとした報いとして、輪切りにされて送られてきた悲惨な姿しか描かれなかった二人。彼らがなぜタブーに触れたのか、そして二人の間にはどのような情愛と信頼があったのか。
北國ばらっど氏の手によって描かれる彼らの生前は、あまりにも鮮烈で、そして残酷です。二人がパッショーネという組織の中で何に絶望し、何を求めてあの日の一歩を踏み出したのか。その真相を知ることは、5部という物語全体を捉え直すきっかけになるでしょう。彼らの「死」が、暗殺チーム全員の心にどのような消えない傷跡を残したのかが、痛いほどに伝わってきます。
狂気と執着:チョコラータとセッコの歪んだ絆
暗殺チームだけでなく、ボス親衛隊のエピソードも収録されているのが本書の心憎い演出です。特にチョコラータとセッコを描いた「ドルチェと、残酷な神に似た支配者」は、読む者に強烈なインパクトを与えます。
他者の絶望を観察することにのみ悦びを見出すチョコラータ。そして、彼に従順でありながら、独自の生存本能を持つセッコ。二人の関係は「絆」と呼ぶにはあまりにも歪んでいますが、そこには確かに彼らなりの「秩序」が存在していました。
なぜチョコラータが医者を辞め、ギャングの道を選んだのか。その過去の断片が、ジョジョ特有のサスペンスフルな筆致で綴られます。彼らの悪辣さが際立つほど、皮肉にも物語としての解像度が上がり、ジョジョの奇妙な冒険 第5部を読み返したくなる衝動に駆られます。
雑誌未掲載エピソードがもたらす新たな視点
『JOJO magazine』に掲載されていた作品に加え、単行本化にあたって追加された書き下ろし作品も見逃せません。
ホルマジオやイルーゾォといった、個性的すぎるメンバーたちの共闘(あるいは対立)は、暗殺チームが一枚岩でありながら、それぞれが強烈な「個」を持っていたことを再認識させてくれます。
ホルマジオの「くだらねーことにこだわる」美学や、鏡の世界を支配するイルーゾォのプライド。彼らの何気ない会話の中には、組織という巨大なシステムの中で生きる男たちの、不器用な連帯感が漂っています。
読後の余韻を深める:『紅い遺言』が描いたもの
本書を通じて一貫して描かれているのは、「遺言」というタイトルが示す通り、死にゆく者たちが遺した想いです。
ジョルノたちが「黄金の精神」を体現したとするならば、暗殺チームや親衛隊が持っていたのは、血の滲むような「泥の中の矜持」でした。彼らは悪人であり、人殺しであり、救いようのない者たちだったかもしれません。しかし、彼らがその瞬間に懸けた命の輝きは、確かにそこに存在していました。
この短編集は、単なるキャラクターグッズ的な本ではありません。5部という作品が持つ「運命」というテーマを、敗者の側から補完する重要なピースなのです。
まとめ:ジョジョ5部スピンオフ「紅い遺言」徹底解説!暗殺チームの過去や魅力を完全網羅
『紅い遺言』は、かつて私たちが涙し、恐怖し、そして憧れた「あの男たち」の魂を呼び覚ます一冊です。
リゾットの孤独、プロシュートの覚悟、ソルベとジェラートの愛。それらすべてが、荒木飛呂彦先生の美しいイラストと共に、一冊の美しい装丁に収められています。
もしあなたが、今もなおイタリアの空の下で戦い続けた彼らのことを忘れられないのであれば、ぜひこの本を手に取ってみてください。ページをめくるたびに、スタンドバトルの火花と、イタリアの潮風、そして彼らの「誇り」の匂いを感じることができるはずです。
紅い遺言を読み終えた時、あなたの心の中にいる暗殺チームの姿は、より鮮明に、より愛おしく変化していることでしょう。
彼らの物語は、ここで終わりではありません。私たちが語り継ぐ限り、その「紅い遺言」は永遠に響き続けるのです。
次は、どのエピソードから読み返しますか?リゾットの影に潜む覚悟か、それとも兄貴の厳しい教えか。あなたの「推し」が、そこで待っています。

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